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遺言についてreal estate

遺言の基礎知識

 残された人が遺産分割をめぐって争わなくても良いように、また、自分の意思や希望を家族に伝える為にも是非遺言書を作成しましょう。

遺言の優位性

 遺言による相続は法定相続に優先します。
 遺産を相続する場合には、民法で定められた通りに法定相続人が遺産を相続し分割する方法と、遺言書に基づいて遺産を分割する方法があります。遺言がない場合には法定相続が行われ、その後法定相続人が
遺産分割協議をして遺産を分割することになります。
 遺言がある場合には遺言の指定は法定相続に優先し基本的には遺言の通りに遺産が分割されることになります。但し、相続人および
遺贈を受けた人が全員で遺産分割協議を行い遺産分割協議書を作成した場合には遺言と異なる内容での遺産の分割をすることは可能です。

遺言でできること

 遺言にはどのような事でも書くことができます。しかし書いた事のうち法律上の効力を持つのは法律に規定された事項に限られます。民法上、遺言として法律的な効力を生じる事項は以下の通りです。  
 身分に関する事項
  1. 認知・・・非嫡出子を自分の子であると認めること
  2. 未成年後見人の指定および後見監督人の指定・・・未成年者の後見人を指定すること及び後見監督人を指定することができます。

 ・相続に関する事項

  1. 相続人の廃除および排除の取消し・・・被相続人に虐待・侮辱を加えたり、その他の著しい非行があった相続人から相続人の資格を奪うことができます(排除する為には家庭裁判所に遺言執行者が申し立て、裁判所が認める事が必要です)。また生前に排除した相続人の廃除を取り消すことができます。
  2. 相続分の指定または指定の委託・・・法定相続分を変更することや変更を被相続人が指定した人物に委ねることができます。
  3. 特別受益の持戻の免除・・・特定の相続人に行った生前贈与を遺産分割時の相続財産の計算から免除することができます。(相続税の申告の計算での相続発生前3年以内の贈与財産の相続財産への加算の免除はできません。あくまで相続人間で財産を分割するときの財産の評価の仕方の問題です)
  4. 遺産分割方法の指定または指定の委託・・・具体的に財産配分方法をを指定すること、指定を被相続人が指定した人物に委託することができます。
  5. 遺産分割の禁止・・・5年間は遺産の分割を禁止することができます。
  6. 相続人相互の担保責任の指定・・・売主の担保責任と同じ内容を指定できます。
  7. 遺贈減殺方法の指定・・・民法で定められた減殺方法以外の指定ができます。

 ・財産処分に関する事項

  1. 遺贈・・・遺言で財産を他人に無償で与えることができます。(負担付遺贈の場合は条件付で財産を与えることができます)
  2. 寄付行為・・・財団法人を設立することができます。
  3. 信託の設定・・・遺言で信託をすることができます。

 ・その他

  1. 遺言執行者の指定または指定の委託・・・遺言内容を実現してくれる遺言執行者を指定したり、その指定を委託することができます。
  2. 祭祀承継者の指定・・・先祖の供養をし、お墓などを守る者を指定することができます。

遺言能力

 満15歳以上であれば遺言をすることができます。未成年でも15歳以上なら遺言ができます。
 成年被後見人
でも遺言を作成する時に事理を弁識する能力があると、二人以上の意思が立ち会って証明してもらえれば遺言をする事ができます。被保佐人、被補助人は完全に単独で遺言ができます。文字を書けない場合にも遺言を残す方法はありますので文字が書けなくても遺言はできます。

検認とは

 公正証書遺言以外の遺言書では、遺言を保管している者または遺言を発見した相続人は相続の開始を知ったときには遅滞なくその遺言書を家庭裁判所に提出して検認を受けなければなりません。
 検認は
遺言書の存在を確認する意味で行われます。遺言書の形式や内容が有効かどうかということとは別問題です。
 勝手に遺言書を開封したり、家庭裁判所に対して遺言書の提出を怠ったり、検認を受けないで遺言を執行したりすると
過料の制裁があります。

遺言執行者

 遺言執行者とは、遺言書に書かれている内容を実現する為の行為を行う者のことです。遺言執行者がいると、相続人は相続財産に対する管理・処分権能を失います
 相続財産を処分するなどの遺言の執行を妨げる行為ができなくなります。法律上必ず遺言執行者の指定が必要となる場合には
遺言によって認知をする場合、推定相続人の廃除および排除の取消しをする場合があります。それ以外の場合には任意になりますが相続手続きを円滑に進めるためにも遺言執行者を指定しておいた方が良いと思います。


遺言の種類と注意点

自筆証書遺言

 文字通り遺言者が自分自身で書いて作成する遺言書です。
 遺言者が自分一人だけで書け遺言の中では最も簡単に作成することができます。また、遺言の内容の秘密が守れる、費用がかからない等の長所があります。
 逆に短所としては遺言書自体が偽造・破棄・隠匿される恐れや紛失の可能性があること、さらに遺言書があっても民法で定められた形式に違反していたり、内容が不明確な場合には遺言が無効になります。
 開封時には家庭裁判所で検認を受けなければなりません。自筆証書遺言の条件としては、遺言者が遺言の全文を自分の手で書くことが必要です。自分で文字を書けない場合には自筆証書遺言は作れません。
                         
 自筆証書遺言を作成する時の注意点は以下の通りです。
  1. 必ず紙に書く・・・用紙・筆記用具には法律上の制限はありませんが筆記用具は鉛筆などのように書き換えられて偽造される恐れのあるものは避けましょう。
  2. 自筆で書く・・・代筆してもらったりパソコンワープロタイプライター等で作成した物は無効です・
  3. 日付を書く・・・日付は書いた日にちが特定できなければなりません。「平成○年○月吉日」のような記載では日にちの特定ができない為無効になります。日にちも自筆で書かなければなりません。
  4. 氏名を書く・・・氏名は遺言者を特定できる名前であれば、芸名・通称・雅号・屋号などでも有効です。
  5. 捺印をする・・・捺印の印鑑は印鑑登録をした実印でなくてもかまいません。三文判でも有効です。ただし捺印を忘れると遺言書は全て無効となってしまいます。
  6. 財産を特定する・・・財産の配分や遺贈の指定をする場合には、その財産を特定できる形で記載する必要があります。不動産であれば登記簿の記載の通り、口座預金であれば「○○銀行○○支店普通預金・口座番号○○○○ 名義人○○○○」のように記載し、株式であれば「○○株式会社○万株」のように記載します。内容が不明確なものは無効とされてしまいます。ただ単に「自宅」・「普通預金」「所有株式」などの記載では無効になる恐れがあります。
  7. 修正箇所には捺印・署名が必要・・・遺言書の内容を一部削除したり訂正する場合には原文が判読できるように二本線でけし変更の文言を入れ遺言書に押印したものと同じ印で押印します。加入の場合にはその場所に「{」のしるしを付け文言を書き入れ捺印をします。さらに変更箇所の上部欄外に「本行○字加入○字削除」と付記するか、遺言書の末尾に「本遺言書第○項第○行目○字削除○字加入」などのように付記します。訂正箇所に捺印のないもの、訂正文字数の記載のないものは訂正の効力は認められません
  8. 遺言書を封筒に入れて封印を押す・・・秘密証書遺言以外の遺言書では封筒に入れて封印をしなければならないという定めはありませんが、封筒に入れ封印をしておく事によって偽造を防止することができ、また内容の秘密も守れます。封印のしてある遺言書は勝手に開封することができず、開封するには家庭裁判所に持参して相続人の立会いのもとで行う必要があります。勝手に開封をすると過料の罰則があります。

秘密証書遺言

 遺言の内容は秘密にしたいが、遺言を作成したことははっきりしておきたいと言う場合には秘密証書遺言にします。
 秘密証書遺言の場合には代筆やパソコン・ワープロ・タイプライター・点字機等で遺言書を作成することもできます。但し、署名・押印は必要です。この場合の押印に使用する印鑑は認印でもかまいません。
 遺言書を作成したら封筒に入れ、遺言書に押印したものと同じ印鑑封印をします。違う印鑑で封印した場合には無効になります。その後その遺言書を公証人一人証人二人の前に提出し自分の遺言であることを述べます。公証人はその封筒に封紙を貼り、そこに遺言を提出した年月日を記載し、公証人・遺言者・証人全員が署名・押印します。
 秘密証書遺言ではいつ遺言が作成されたかがはっきりする点、偽造の恐れがない点が長所です。ただし遺言書自体を破棄・隠匿されてしまう恐れはあります。また、相続が発生した後に家庭裁判所での検認も必要です。

公正証書遺言

 最も確実な遺言の方法です。
 公正証書遺言を作成するには、遺言者が二人以上の証人を立会人として公証人の面前で遺言を述べ、公証人が遺言者が口頭で述べた遺言の内容を筆記して遺言者と証人に読み聞かせ、遺言者と証人はその筆記の内容が正確なことを確認したうえでそれぞれ署名・捺印すれば完成します。この場合の捺印に使用する印鑑は印鑑登録をした実印でなければなりません。遺言書は写しも作られ遺言者本人と公証役場で保存されます。
 公正証書遺言では他の遺言方式のように家庭裁判所での検認を受ける必要がありません。また「遺言検索システム」が導入されており、遺言書を作成した期日、正本を保管している管轄の公証役場などがどこの公証役場からでもすぐにわかるようになっています。公正証書遺言を作成する場合には財産を特定するための資料として登記簿謄本などもあわせて持参します。
 公証人は遺言書の内容については基本的に助言はしません。書式が法的に正しければ、内容のいかんに関わらず遺言者の言うとおりに遺言書を作成します。遺留分の侵害などで相続人間に争いをおこさないような遺言書を作るためには予め別の法律専門家に相談したほうが良いでしょう。
 また公証人に遺言書を作成してもらう際に間違いがなくスムーズに遺言書を作成してもらう為に、予め遺言書の原案を作成して一緒に持参した方が良いです。

特別方式の遺言

 遺言者が危篤になって、急いで遺言しなければならないときに認められる危急時遺言として、病気や怪我などで危篤になった場合の一般危急時遺言と、船が遭難して危篤になった場合の難船危急時遺があります。
 この遺言は普通方式で遺言ができる状態になった場合にはその時点から6ヶ月間生存した場合には無効になります。また隔離された場所にいるために認められる遺言として、伝染病にかかり行政処分によって交通を断たれた場所にいる場合にできる一般隔絶地遺言と、船舶中にある場合にできる船舶隔絶地遺言があります。

遺言が無効とならない為に

 遺言が有効か無効かは二つの見方から判定されます。
 一つは遺言書の一定の方式に従っているか、もう一つは遺言の内容そのものが有効かどうか(法律的に遺言の内容の実行が保証されるかどうか)です。
 特に気をつけなければいけないのは遺言の方式に誤りがあると、せっかく遺言書を作成しても無効となってしまう点です。遺言は必ず書面にしなければなりません。
 記入をしたら署名・捺印・日付の確認・訂正の仕方の確認をします。それから内容に不明確なものがないか、遺留分の侵害をしていないかもチェックする必要があります。

内容を変更・撤回したい場合

 自筆証書遺言の場合には内容の加入・削除・訂正も撤回も自分で自由にできます。訂正方法について詳しくは自筆証書遺言の説明欄をご参照下さい。
 秘密証書遺言の場合には封印がされて公証人により封紙が貼られていますので、内容を勝手に変更する事はできません。内容の変更をする場合には、その旨を明記した遺言書を新たに作る必要があります。自筆証書遺言も秘密証書遺言も遺言の全部を撤回する場合にはその遺言書を破棄してしまえば済みます。
 公正証書遺言の場合には原本が公証人役場に保管されていますので手元にある正本を変更しても原本が変更されるわけではありません。公正証書遺言を変更・撤回する場合には、遺言を変更または撤回する旨の遺言書を新たに作る必要があります。

財産目録を作りましょう

 遺言書を作る場合には、まず相続の対象となる資産・権利・負債などをリストアップして一覧表を作りましょう。この時には現在所有している資産だけではなく、生命保険金や死亡退職金などのみなし相続財産も忘れずにリストに加えましょう。
 その後時価と相続税課税の評価額の観点から各財産の評価額を調べ、あわせて記載します。まずは洗い出した相続税評価額の合計金額から相続税の支払いが必要になるか、必要な場合には納税資金の準備は大丈夫か、節税の為には誰にどの財産を相続させるかを考えます。
 さらにその後、遺産分割の観点から各相続人の遺留分を侵害しないよう、過去の生前贈与の持戻し分特別寄与分などもあわせて相続財産の分配方法を考え、完成した分割内容を遺言書という形で書面に残します。
 また相続税の支払いが必要になると思われる方は実際の相続の発生までの間に有効な相続対策も行っていく必要があります。特に不動産の場合には物件によっては、相続税評価額の方が実際の市場での取引価格よりも高くなってしまう場合もあるので正確な調査と注意が必要です。